Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

ルシファーの算段

 
 11.

 「それが・・・預言なのですか?
 何故に、肉体を手に入れることができないと・・・?」
 「太古の昔、神々の間で争いがあり、
 アスラ王も私も、この地上に現れる事が出来ないよう、
 戒めの鎖に縛り付けられた。
 私は精神を遊離させる能力は保持し続けたので・・・、
 時々、人間の魂に潜り込んでいたのさ。
 ただ・・・それも天使達の監視つきなのだがね?」
 「・・・それで、陛下の夢の中に・・・?」
 「そう、勿論、単に夢の中で突拍子もないことを話したって、
 信じてもらえるるわけがない。
 そこで、今度の『天からやってきた災厄』の対処の準備が間に合ううちに、
 エア王に私の予言を信じてもらうべく、
 かねてからエア王に予言をしてきたのさ。
 ・・・だから、
 申し訳ないんだけど、このアルヒズリを救うためとか、
 エア王、貴方のため・・・というわけではないんだ。」

エア王は激しく首を振る。
 「何を仰います!?
 つまりはこの地上の人間達のためではございませんか!?
 何ら、あなた様が頭を下げる道理はございませぬぞ!」
それについてはランディも同感だ。
始めはこの妖しげな人物を・・・、とも思っていたが、
「天使」などという大仰な存在が、一人の人物や一国に肩入れする方が不自然だろう。

 一方、ルシファーはまぁまぁという、ジェスチャーの後、話を続けた。