Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

12.李袞地に頭をこすりつけ、宋公明高らかに笑う

 
そして目ん玉をまん丸にして、開いた口がふさがらないのが宋公明と林沖だ。
無理もない、
いくら強いとは知っていても、
朱武の身長は170前後、
体重は70kgにも満たないはずだ・・・。
ましてやまだ彼はたったの15歳・・・。
それを・・・2倍近い体格の李鉄がこうもあっさり・・・。
唯一冷静な李袞が、ぶっ倒れてる李鉄の介抱に向かう。
 よかった・・・命に別条はなさそうだ・・・。
アレでも、朱武は急所を避ける余裕すら持っていたのだろう。
今や、椅子にうずくまって痛そうに頭を押さえてはいるが・・・。
一方、でかい図体の李鉄は、意識を取り戻したとはいえ、今だに事態を飲み込めていない。
ぽかぁんと口をだらしなく開き、テーブルのあたりをぼんやりと見つめている。
 
もう、李袞は平謝りだ・・・、
 「も、申し訳ありません、宋大人!!
 とんだ失礼をしでかしてしまいまして・・・!」
ところが、宋公明は逆に愉快そうに笑い始めたのだ!
 「いやあっはっはっはっはぁ!
 これは凄い!
 私の部下たちの中でも、最も血の気の多い李鉄をこんないともあっさりと・・・!
 ますます・・・!
 ますますキミをスカウトしたくなったよ! 朱武君!!」
隣で林沖が首を振りながらため息をつく・・・。
 「なんでこの席に、李鉄を同席させたのかわからなかったのですが・・・、
 宋先生、もしかしてこうなることを計算にいれてました?」
 「ははは、バカ言うな、林沖、
 こんなにうまくいくとは思わなかった!」
ええっ!
 なんてやつだ、宋公明・・・これだから政治家や役人は信用できない。