Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

奇妙な地震

 
 タケルは特に何も考えずに、記憶の糸を辿る・・・。
 「・・・いや、あんまり気にしなかったし・・・自然な流れじゃなくて?」
 「ええ、まぁ、形としてはあなたとアーサーは引き分けのような形で倒れましたからね・・・。
 確かに最後の一撃を放った、という意味ではあなたの方が優勢に終わりました。」
 「ああ・・・そうだね、そういうことになるね。」
クリシュナは何を言いたいのだろうか?
 「そこでですな、・・・ゴホン、
 その時、サルペドン様がその威厳を以て、戦闘終了の宣言をなされたのです。」
 「へぇ、そうなんだ?」
その時、クリシュナは何かためらってるように見えたが、
見かねて酒田のおっさんが説明を代わった。
 「ん、でな、それはいいんだ、
 実際、他に適任もいないし、事実戦闘も終わった。
 ただな、その時、ドンピシャのタイミングで・・・。」
 「はぁ?」
 「地震が起こった・・・。
 それも震度5か6クラスの強い揺れが・・・。」
 「えっ、あの時に?」
 「だがな、その後の調べで、
 あの時、アヴァロン城付近で起きた地震は、
 かなり浅い震源地の・・・しかも地殻断層として起こり得ない規模のモノだそうだ。」
 「へぇ!?
 ・・・って、え? 何がどういうことなんです?」
クリシュナと酒田のオッサンは一度顔を見合わせたが、
どうにも結論は出ないらしい。
再び、タケルに口を開く。
 「・・・まぁ、オレらにもわからんし、お前もわからないんならしょうがない。
 サルペドンにもマリアにも聞いたが、ただの偶然だろうってことで片づけられた。
 あの時、サルペドンは騎士団に『神の意志』による地震だとか言ってたが、
 オレらには、うまく演説に組み入れることができて助かった、なんて後でぬかしてやがったしな。
 確かに、戦闘を終わらせるにはちょうどいいタイミングだったよ。」
地震か・・・、
 「あ。」