Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

死の神タナトスと、解き放たれた「魔」20

 
・・・その凄まじい精神エネルギーの震源地、
タナトスと「その男」が向かい合うその地では、
新たな局面が生まれようとしていた。
完全に立ち上がったその男は、
輝く瞳を以て、タナトスの姿を認識するまでに至っていたのだ・・・。

身長2メートル?
いや、今やその姿は、さらに巨大化を遂げているのではないだろうか?
その異様さに圧倒された者の眼には、現実よりも更に巨大に見えることだろう。
不自然なほど長い四肢は、今もなお痙攣を続け、
まるで、筋肉や骨格すらも変貌しているかのようだ。
その指先は人間には不自然な曲がり方になり、
鋭い爪は、もはや肉食生物のそれだ!
さらに肉眼では捉える事の出来ない噴き出すオーラのせいか、
「彼」の長い黒髪が逆立ち、天に向かって揺らめき始める。

そしてタナトスは慄然とする・・・。
「緒沢タケル」と呼ばれていた男の顔が・・・、
先ほどまでとは別人のように激しく変貌を遂げているのを見て!

 笑っている・・・
 歪んでいる・・・!
 その口元はいやらしく引きつれ、まるで般若のように狂おしい笑みを浮かべている。
 いつからこの男は牙を生やしていた!?

タケルの額に、大きな痣のようなほくろがあったのを覚えているだろうか?
今、この時、
吹きあがった前髪の下からは、
その痣が、得体の知れない目のような器官へと変化を生じさせている。
そしてその下の両眼・・・。

タナトスは理解した・・・。
これはさっきまでの男じゃない・・・、
いや、それどころか人間ですらないかもしれない・・・!
全く・・・全く違う何らかの生物だ!
ヤツの瞳が全てを物語る・・・。

その瞳が・・・輝く黄金色の光を放ち始めたから。
 
イメージ 1

 http://1st.geocities.jp/amekazelionmaru/TAKERU/atomheartmother.mp3