Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

ヘファイストスの葛藤・語り継ぐネレウス49

 
大気を切り裂く衝撃音!
この場にいる全ての者の目が眩む!
それでもスサの殆どは、黒焦げになったヘファイストスの姿を予想したはずだ!
・・・だが。

一瞬、タケルの目は信じられないものを見たかのように、
剣を持つ腕を振り下ろしたまま固まっていた・・・。
眼前のヘファイストスが、何事もなかったかのように次の攻撃の準備をしていたからだ。
唯一サングラスをしているサルペドンが全てを認識する。
 「し、しまったぁ!
 タケル、避雷針だ!
 ヘファイストスはお前との間に槍を突き立てることによって、
 天叢雲剣の攻撃を無効化させるつもりだっ!」
 「はぁっ!?」
そういえば、地面に突き刺さってる槍の穂先の辺りから煙が立ち昇っている・・・て、
 「うわぁっ!」
ヘファイストスは攻撃の手を休めるつもりはない。
すぐに連続攻撃でタケルを・・・。
いや、攻撃ばかりか、またもや上空に槍を放り投げ、避雷針の数を増やしてゆく。
あらためてヘファイストスの姿を見ると、
戦車のタイヤはゴムのようなもので絶縁し、
右の手甲の下にも厚い生地の何かを巻いているようだ・・・。
完全に天叢雲剣の対処はできているということかっ?
 「それしきのことで・・・!」
獣のようなダッシュ力を誇るタケルは、
ヘファイストスとの間に林立する槍を次々とかわし、距離を詰める。
だが、それすらも嘲笑うかのように、ヘファイストスは器用に戦車の方向を変え、
必ず自分とタケルとの間に、槍が収まるようにジグザグに進んでいく。
 なんて腕力だ!
だが、どれほどの力を誇ろうとも、
タケルの脚力を上回ることなど有り得ない!
次の次・・・!
電撃が届かないなら・・・直接この刃で・・・!