暗殺者ザジル 3
だが、彼女は眼をうるませながらツナヒロを睨みつける。
「あ・・・あなたはバカですっ! 大バカですっ!!
なんで・・・どうして! あのままなら幸せでいられたのに!
それに私の・・・ユェリンの気持ちも信じてくださらないなんてっ!!」
「ユ・・・ユェリン・・・?」
ユェリンの両腕は、ツナヒロに抑えられてブルブル震えるだけ。
一方、あんな言葉は吐いたが、いまだツナヒロの本心は、彼女を疑うことができなかった。
ユェリンの泣きそうな表情を見せつけられて・・・
屋敷の階下からドタドタ複数の荒い足音が登って来る。
だがツナヒロにそんなことを気にする余裕はない。
「ザ・・・ザジルと言ったか!?
こ・・・この彼女の表情を見ても演技だって言うのか!?
見ろ!!
・・・使命があったのは本当のようだが、・・・彼女は・・・オレを・・・。」
ザジルは長い髪を揺らしながら首を振る。
両の指先を一本ずつ滑らかに曲げながら、すぐにでも戦闘に移れる態勢をとっているようだ。
「だからな、・・・彼女の気持ちとかはどうでもいいんだよ、
九鬼にとっての最重要課題は、お前をこの国に留まらさせて利用すること・・・。
お前が彼女にぞっこんになれば、
いろんな手が打てるんだ。
婚姻をエサにすることもできれば、逆に彼女を人質に捉えて、お前をこき使うこともできる。
それこそ、彼女を拘束して足の一本を切り落としでもしたら、
お前はどうする?
ユェリンを見捨てるかい?
それとも、彼女を救うために破壊兵器でも創り上げるかい?」
階上に上ってきていた衛兵は、丁度ザジルが口を開いてる間に、
この場で何が起こっているのか、判断に戸惑っているようだった。
そこへユェリンは首を曲げて指示を出す。
「その男は裏切り者です!
ツナヒロ様を国外へ逃亡させようとしています!!
排除してください!!」
「ユェリン・・・。」
その言葉に彼女は再び、大きい瞳をツナヒロに向けた。
興奮しているためか、唇は開かれ、奇麗に並んだ小さな歯と柔らかい舌先が見える・・・。
だがツナヒロにそんなことを気にする余裕はない。
「ザ・・・ザジルと言ったか!?
こ・・・この彼女の表情を見ても演技だって言うのか!?
見ろ!!
・・・使命があったのは本当のようだが、・・・彼女は・・・オレを・・・。」
ザジルは長い髪を揺らしながら首を振る。
両の指先を一本ずつ滑らかに曲げながら、すぐにでも戦闘に移れる態勢をとっているようだ。
「だからな、・・・彼女の気持ちとかはどうでもいいんだよ、
九鬼にとっての最重要課題は、お前をこの国に留まらさせて利用すること・・・。
お前が彼女にぞっこんになれば、
いろんな手が打てるんだ。
婚姻をエサにすることもできれば、逆に彼女を人質に捉えて、お前をこき使うこともできる。
それこそ、彼女を拘束して足の一本を切り落としでもしたら、
お前はどうする?
ユェリンを見捨てるかい?
それとも、彼女を救うために破壊兵器でも創り上げるかい?」
階上に上ってきていた衛兵は、丁度ザジルが口を開いてる間に、
この場で何が起こっているのか、判断に戸惑っているようだった。
そこへユェリンは首を曲げて指示を出す。
「その男は裏切り者です!
ツナヒロ様を国外へ逃亡させようとしています!!
排除してください!!」
「ユェリン・・・。」
その言葉に彼女は再び、大きい瞳をツナヒロに向けた。
興奮しているためか、唇は開かれ、奇麗に並んだ小さな歯と柔らかい舌先が見える・・・。